2018年6月8日金曜日

Session3-2 神殿

三人は傭兵、その石の色は赤い

三人は石碑の前に再びやって来た。ブライが鈴を取り出すと、鈴はひとりでになり始めた。ブライは左手に鈴を持ち、右手に三日月刀を構え、鈴の音に導かれ歩き始めた。二人はそれに続いた。

 小一時間ほど歩くと、森が開け淡く白い光に包まれた神殿が目の前にあった。神殿は巨大であり神殿を支える柱は見上げるばかりであった。遺跡とは思えない真新しい建築物だった。
 三人は各々、武器を構え直し神殿の中へ入っていった。中も不思議な光に包まれていた。壁には彫刻がされおり、輝く杖をもった男がえがかれていた。
 奥には巨大な扉が三人の行く手を遮っていた。三人はその扉を調べた。するとゴンザが侵入者避けの罠が仕掛けることに気がついた。ブライがその仕掛けを解除し扉を開けた。
 三人が奥に入ると広間に成っており、正面に扉があり、両脇にも四つづつ扉がある。扉を開けると部屋には何もないが、部屋全体が青白く光っていた。
 奥の扉に近づくと鈴がなり、扉が開いた。そこはまた広間であった。広間の左右に美しい金属製の柱が三本づつ立っていた。一番奥には杖が台に刺さるように安置されており、杖には赤い宝石が付けられている。
 ブライが柱を調べたがおかしなことは無いようだった。三人が杖に近づくと鈴が強くなり始めた。そして杖に手が届くくらいの距離になると鈴はピタリと音を止め、塵になってしまった。すると杖に付けられた赤い宝石が輝き始めた。
 ブライがそれを手に取ろうとすると、背後で異変があった。金属の柱から次々と手が出てきたのだ。そして手に続いて人の身体が出てきた。それは金属で出来た男であった。金属の男たちは三人に襲いかかった。
 三人は応戦したが、金属の男たちを切りつけても叩きつけてもまるで効き目がない。これは不味いと思いながらも必死に応戦していると、ヨイチの手応えのある槌矛の一撃を見舞うと金属の男はボロボロと崩れ去った。強い力をうけると金属の男は壊れてしまうものらしかった。勝ち目が出てきて三人は奮戦した。金属の男の動きは素早く熟練した戦士の動きで強い力をあたえるのは困難ではあったが、また一人また一人と崩れさっていった。
 最後の一人が崩れると、若い女の声であなた達に託しますという声が聞こえ、杖が倒れ赤い宝石が杖から外れ地面に落ちた。すると神殿の覆っていた光が消えてしまった。神殿の窓から差し込む光だけとなり、辺りは薄暗くなった。先程まで真新しかった柱や壁は薄汚れて朽ちかけていた。神殿全体がゴゴゴと不気味な音を建てている。古くなった柱がこの巨大な神殿の重みに耐えかねているようだ。ブライが杖が置かれていた台座からかすかな光が漏れている事に気がついた。台座の下に通路があるようだ。
 三人は通路に入っていった。その通路には棚があり、銀でできた祭具が収められている。通路を先に進むと外に出られた。神殿は崩れ去りただの廃墟になっていた。
 三人は通路を上手く隠して、ラギのもとに向かった。
 ラギに赤い宝石を渡すとラギは大変興奮し喜んだ。ラギが何やら呪文を唱えると宝石が赤く光り、三人を照らした。すると金属の男たちと戦い負った傷が治ってしまった。
 三人は再び神殿を訪れ銀の祭具を運び出し馬車に積み込みこんだ。そしてドワーフの王国、黒鉄の国へ向かった。そこで銀の祭具を売り払った。
 
 
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